壁にあいた穴を自分でプロ並みに補修しよう
たいていの家の内壁は、石膏ボードとよばれる建築資材で作られています。
この石膏ボードは耐火性、それに対するコストパフォーマンスは大変高いのですが、いかんせん衝撃には弱く、穴があいてしまいやすいのです。
そこで、あいた穴の補修できるようになりましょう。
通常の壁補修の場合、下の画像のように補修部分が目立ってしまうので補修しないほうが目立たないかも、という感じになってしまいます。
補修後、予備の壁紙を貼れば綺麗におさまりますが、たいてい予備の壁紙なんてものはありません。
そこで今回は、
「どこに穴があったかわからなくなる位、壁にあいた穴をプロ並みに補修する方法」を書いてみます。
まず通常の壁補修の流れを見てみましょう
- 壁の、へこんで割れている部分を取り除き、穴だけにします。
- 先に埋め込むためのボードを作っておき、その形に墨をつけます。
- 墨通りに穴をあけます。
- 埋め込みボードを貼るための下地をします。
- 埋め込みボードを貼ります
しかしこのやり方では、手順5で貼るボードの色が目立ち過ぎてしまいます。
もう少しおとなしい色のボードはありますが、それを使ったとしても多くの場合、家の壁紙は白系が多いので、どうしてもボードの色が目立つのです。
そこで、ちょっと工夫をした壁穴補修をしてみましょう。
・あいた穴を補修できるサイズの石膏ボード
・カッターナイフ
・定規
・ドーブチなどの材木
・ビス
・木工用ボンド
・パテ
・パテバケ(真っ直ぐで硬いヘラのようなもので代用可)
・きつつきノコ(画像では胴つきノコになっていますが、きつつきノコがいいです)
壁穴の補修前の確認
まずは穴の付近を叩いて壁地(かべじ)がどこにあるのかを確かめます
壁はたいてい、柱に直か、ニイイチやダイサン、ドーブチという木材を骨にしてボードを打っています。
この木材の骨を壁地といいます(天井の場合は天井地といいます)。
まず、この壁地がどこに入っているのかを調べます。
もし穴の近くに壁地があるのなら、それに当らないよう、補修用の追加壁地の入れ方が変わってくるので、次の手順のクロスをめくる範囲も変わってしまいます。
なのでとにかく地の位置・方向を、おおまかで良いので把握しましょう。
では、どうやって地があるところを把握するかというと、それ用の機器もあるのですが、まずはコンコン叩いてみることです。
地があるところをたたくと中身が詰まっているような高い音がしますし、地のない空洞部分をたたくと低く響くような音がします。
壁をコンコンしてみましょう。ある程度のことはわかります。
意外と安いので手に入れておくとこれから先のDIYが捗るかもですね。
さあ、壁穴補修スタート!
まず壁紙をめくります。
今回の壁穴補修は、上で紹介した従来の壁補修よりもひと手間増えます。
通常の壁補修と同じく壁の穴を塞ぐための石膏ボードをつくり、その形通りに穴をあけ直すのですが、その前にまず、補修部分の壁紙をめくります。
折り目をつけないよう注意してください。
めくる際、壁穴部分の壁紙がちぎれないようにテープなどで補強しておくと上手にめくれます。
(上画像参照)
補修箇所をカット
壁紙をめくり上げ、下地の補修をします。
ボードを穴の大きさ大に切っておいたもの(補修用ボード)を穴にあてがい、鉛筆でかたをつけます。
鉛筆の墨どおりにカッターナイフで切れ目をいれ、キツツキノコでボードを切り取ってしまいましょう。
細かいところはカッターナイフや紙やすりで削り合わせます。
くり抜いた穴に補修用ボードが入るかを確認します。
パテを入れるので多少アバウトでもOKです。
壁に使われているボードはたいてい12.5ミリですが、マンションなどでは9ミリを使っている場合も多いです。
下地を入れる
下地材のドーブチ(幅40ミリ、厚さ16ミリ)に木工用ボンドを塗って壁の中に入れていきます。
この時、持ちやすいように真ん中にビスを打っておきましょう。そうしないと位置の微調整ができないし、壁の中にドーブチを落としてしまう可能性もあります。
取っ手のビスを引き寄せながら下地材(ドーブチ)をビス打ちします。
補修用ボードを入れる
ボンドが乾き、下地が完成しました!
下地にボンドを塗り、補修用ボードをビス打ちします。
ボードとボードのあいだにパテが入りやすいよう、周りを軽く面取りしておきます。
これで壁の穴がふさがりました。
クロス(壁紙)下地を整える
クロス(壁紙)用のパテを 補修用ボードの周りに詰め、余分なパテを硬くてまっすぐなものを使ってこそぎ落とします。
パテを落とすための専用のハケはなくても、定規などで代用が可能です。壁よりほんの少しパテが出ているくらいにします。
(パテは乾くと少しかさが減ります。落としすぎないように注意)
パテが白く乾くまで待って、硬くて面がまっすぐなもの(画像ではドーブチを使用)にキメの細かい紙やすりを巻き、壁面に凹凸がなくなるよう仕上げます。
ここの作業で妥協をするとクロスがボコボコになってしまいます。滑らかになるよう仕上げましょう。
クロス(壁紙)を元に戻す
端っこぐるりにボンドをつけ、指で薄く伸ばしていきます。
ボンドはつけすぎてもいけません。ボンドで全体がしっとりしている、という感じがいいです。
まくしあげておいたクロスをおろし、上部から押さえていきます。シワができないようにゆっく押さえていくと、ちぎれそうになっていた部分が必然的に元の位置に戻ってきます。
できあがり
これでクロス(壁紙)の補修完了!
破れたクロスの一部が欠けてしまっていて残念…。
この画像では補修部分が目立つ感じで映っておりますが、肉眼で見るとほとんど補修部分がわからない感じに仕上がっております。
壁補修にかかわる「よくある質問」が次の2点。
①クロス用のパテってどうやって作るの?
どれくらいの硬さで使用するの?
②面倒くさいよ。もっと簡単な方法はないの?
まず、クロスのパテですが、
ホームセンターで手頃な使い切りサイズが売っていますし、ネットからも買えるので、まずは調達しましょう。
クロスのパテは元々は粉状で、水を加えて使用します。
水をよく練り込みましょう。
全体的に滑らかになるまで水を加え続けます。硬さは「トルコアイス」ぐらいのイメージで作ってください。
パテバケがない場合、ちょっとした壁補修くらいならベニア板などでも代用可能です。
上の画像では大量にパテを作っているところですが、今回のような場合は紙皿の上で練るくらいでOKです。ちなみに、今回使ったパテは、ピンポン玉より少ないくらいの量で間に合いました。
実はもっと簡単に壁穴を補修できるキットが発売されています。
簡単に言うと、壁穴にパッチシートを貼り、そこにパテを塗りつけ、上に壁紙を貼る、という補修になります。
ただ難点は、部分的な補修の場合、どうしてもパッチシートの分の厚みがでてしまい、補修した部分がわりとハッキリわかってしまいます。
このキットは、クロスを全面的に張り替える場合の穴補修に使うといいですね。
仕上がりにクオリティを求める方は、今回ご紹介している補修方法をオススメします。