フローリング貼り工事の小技あれこれ
フローリング工事で不細工な施工にしないための「あれこれ」をご紹介します。
これを知っているだけでプロな仕上がりになっていきます。
フローリングを貼る前の枠カット
まず、部屋にはクローゼットがあったり、ドアがあったりします。
床を貼る際には、そのそれぞれの枠の部分の加工が難しかったりします。
今、あなたの部屋のドアやクローゼットを見てみてください。
たて枠の部分が出てきていて、床を貼る時にはややこしそうな感じがしますよね。
この部分を、工事前のひと手間で、劇的に、ラクチンかつ綺麗に施工できる方法をお伝えします。
簡単に言えば、フロアの厚みだけ先行してカットする、ということです。
例えば、下図のように建具がある場合は、
こんな風に、ちょっと複雑な形になってしまいます。
そこで、事前に建具枠のフローリング高さ分だけ、事前にカットし、飛ばしておけば、もう少し単純な形になって楽になります。
ちょっとわかりにくいので、施工しているところを見た方が早いですね。
動画を用意しましたのでご覧ください。
フローリング工事で最重要な一列目がまっすぐになっているかを確かめる方法
フローリング工事で最重要な事は、一列目がまっすぐに、墨通りに加工できているかどうかです。
ここさえしっかりとできていれば、あとはそれに対して押し付けていくだけですから。
1ミリも狂わない精度を求めたいところですが、実際にできているかどうかを確かめる方法があります。
それは1列目のジョイント部分に、実際にフローリングを差し込んでみる、という方法です。
ジョイントが真ん中にくるようにフローロングを差し込んでみます
注目すべきは両端とジョイント部分。うまく揃ってるようでもよく見ると・・・。
・・真ん中にすき間がある!1列目の右側をもう少し削らないと基準線に合ってない!
・・今度はこっちにすき間がある!1列目右側が入り込みすぎた!
(削り過ぎにだけは注意しましょう)
ジョイント部分と差し込んだフローリングにすき間がなくなるまで合わせます。
次は隣のジョイントで合わせてみて、同じくすき間がなくなるように合わせます。
全てのジョイントでこれを行います。
このようにフローリングを差し込んで列とのすき間を確認していくだけで基準線にバッチリ合い、細い糸ほどのすき間もなく最高の仕事になります。
最初の一列さえ基準線に合っていれば、全体的に素晴らしい仕事になるのです。
ちなみに、ダイレクトフロアでも同じです。
1列目を基準線に合わせた後、ジョイントに次のフロアを差し込んでみて、スキマがないか確認しましょう。
部屋と他の部分とのジョイントをどうするか!?(縁を切る方法)
部屋と廊下の部分の継ぎ目や、床貼りの縁を切りたい時にどうするかを考えてみましょう。
例えば廊下はフローリングで洗面所はCF(クッションフロア)を貼りたい場合、床の仕上げが違うのでその継ぎ目に何らかの処置が必要です。
そんな時には、「床見切材(ゆかみきりざい)」を入れます。
工事の時に、ベース材(土台)を先行して入れておき、後で化粧材をパチンとはめ込みます。
特に継手見切りは用途が広く、廊下と部屋のジョイント等はもちろん、フロア方向を途中で変えたい場合などにも使えます。
玄関框(げんかんがまち)部分のおさめ方
廊下にフローリングを重ね貼りした場合、廊下の先、玄関部分ではフローリングの断面(小口(こぐち)といいます)が見えてしまいます。
その場合、上記の床見切り材の関連商品で玄関框専用のものがあります。
マンションの場合は?
一戸建ての玄関などはこれでいいかもしれませんが、バリアフリー型マンションの玄関など框に高さがない場合や、予算をかけたくない場合などにおすすめしたいのが、小口に「階段スベラーズ」を貼る、という方法。
スベラーズはセット販売になっている階段用の他に、ホームセンターなどで長尺のものが1本売りされています。
この長尺のスベラーズをマンションの玄関部分に貼ってみましょう。
玄関の先ギリギリまで床を貼って、
スベラーズを貼ります。
スベラーズはL型になっているので、断面(小口)がしっかりと隠れます。
施工の際は、できるだけ目の細かいノコギリでカットしてください。
正面から見たところ。
低予算で簡単なのでおすすめできる方法ですね。
もちろん勝手口部分の框(かまち)にも使えます。
はきだしサッシ部分のおさめ方
玄関とは逆に、はきだしサッシの端部もフロアの断面(小口)が見えてしまいます。
例えば下記の画像のように、はきだしがある床の上に、更にフローリングを重ね貼りしたとすると、
なので、一つの案として、L型のアングルを入れる、という手があります。
アングルにはブラック、シルバー、ブロンズなど、たいていのサッシと同色(に近い色)が揃っています。
まず、はきだしサッシのぎりぎりまでフローリングを貼ります。
しかし、このままでは前述したように、フローリングの断面(小口)が見えてしまっています。
なので、L型アングルで小口を隠します。
L型アングルのサイズは10×15くらいのものが最適です(15mmを化粧面側、10mmを小口側に使います)。
小口側から見ると、こうなります。
ホームセンターでサッシビスを手に入れてアングルをビス止めします。
(できればメン取りができるキリを使用してサッシビスの形にメンをとれば、画像のようにアングルとビスがフラットにおさまります)
ビス止めしない場合、薄い両面テープを挟みこみ、ところどころ接着剤代わりにコーキングを入れてもオッケーです。
隠しきれない部分が気になる場合は同色のコーキングまたはコークボンドを入れましょう。
または、さっきご紹介した床見切材の「壁見切り」を入れるのもありかもしれないですね。
施工後にできてしまったスキマの、コークボンド処理
床貼り工事ではどうしてもスキマができてしまいます。
DIYでやる場合ならなおさらでしょう。
そんな時に活躍するのがコークボンドです。
様々な色のコークボンドが販売されているので、同色(か、似た色)を選んで使ってみましょう。
実際にコークボンドを入れているところの動画を作ってみました。
フローリングに限らず、コークボンドを使う場合は同じ使い方です。