自分でフローリング(フロア)を貼ってみよう(実践編)
さて、それでは実際にフローリングを貼っていきましょう。
前回のエントリで、フローリングを貼るための基準線を出しました。
その基準線に沿ってフロアをカットしていきます。
基準線に沿って貼る一列目ができれば半分以上終わったも同然です。
フローリング貼りは最初(貼りはじめ)と最後(貼りじまい)だけ気合いを入れれば綺麗な仕上がりになります。
その中間は、列の両端、303mmだけを合わせればいいし、DIYの場合、少々失敗してもコークボンドがあるからです。
このように基準線に対し、精密に合わせます(クリックで拡大)。
とにかくこの基準線に精密に合わせる事がフローリング工事において何より大事です。
施工の前に、過去記事のフローリング貼り工事の小技あれこれを参照し、少しでもプロい仕上がりを目指してください。
材料の使い方についての注意
DIYでの床張りで、重ね貼りの場合には乱尺貼りをおすすめします。
3尺ずらし貼り(りゃんこ貼り)では余計な事も考えながら材料を使っていかねばならず、貼り終わった後、ジョイント(継ぎ目)が整然と揃っていなければ目立ってしまい、部屋の寸法によっては材料のそつ(ムダ)が多くでる事になってしまいます。
(とはいえ根太をジョイントに持ってくる場合は、はからずも3尺ずらし貼りになる場合が多いです)
乱尺貼り(らんじゃくばり)の場合、一列目を貼り終わると、最後に切った部材の残りから貼り始めます。
貼り始めと貼り終いの中間フローリングについては左右の壁に合わせていくだけなのですが、一つだけ注意点があります。
初心者の人がよくやってしまうのですが、フローリングの左右カット間違いです。
ちょうど下図のような状況が失敗しやすいパターンです。
2列目の残りを貼ろうとして、点線部Aの寸法を測った場合、作業台上のフローリングを、メスから測り、切り墨をつけるのが正解なのですが、部屋の左側を貼るという意識が働くのか、図でいう左から測って切ってしまう、というパターンが多く見受けられます。
(オスをオレンジ色、メスを点線にしています)
2列目真ん中のフローリングに対して、Aに入れるフローリングはメスを残さなければなりません。
フローリングの伏せ方についての注意
Aのフローリングが問題なく切れたとして、現場に持って行った時のフローリングの伏せ方ですが、壁や巾木により伏せ方が変わってきます。
たいていの場合、通常の伏せ方でいいのですが、壁や巾木が奥に入り込んでいる場合、手前のフローリングと一緒に伏せることになります。
壁や巾木が奥に入りこんでいる場合、難易度が高くなるので、誰かにお手伝いを頼むようにしたほうがいいかもしれません。
特に貼り終いのところの壁や巾木が奥に入り込んでいる場合、手前の列と貼り終いの列を同時に持ち上げ、伏せる事になるので、おそらく一人ではできないと思います。
ネダボンドの塗り方 についての注意
寸法通りにカットができ、伏せる準備ができたら、ネダボンドを塗ります。
ネダボンドは少々高いですが、下地の水平が低い所に入っていって固まり、ある程度水平を直してくれますし、施工後の音鳴りを防いでくれます。
フローリングのメーカーも「施工時には必ずネダボンドを使って下さい」という注意書きをわざわざ入れています
塗り方ですが、まずボンドの「塗りしろ」として、フローリング幅より30mmほど控えた270mmのところでボンドの塗りしろの墨を打ちます。
この塗りしろの中で、フローリング両端部分と、あいだを一尺(303ミリ)ピッチで塗っていきます。
下地が悪いところは一尺ピッチの間に、更にボンドを塗り、下地調整も兼ねるようにします。
塗りイメージとしてはこの画像のような感じ(クリックで拡大)。
ネダボンドは厚みがあるのでフローリングを伏せたときにボンドが伸び、全面に塗布したようになります。
何も考えず、全面的にボンドを塗ってしまうと、フローリングを伏せた時にボンドが未施工エリアまで出てきてしまい、手がボンドだらけになってしまいます。
なので、ボンドの伸びをみて、ボンドの塗りしろを270mmとしています。
フローリングの裏にボンドを塗る施工を指定しているフロアもあります。
フローリングの周りぐるりと、真ん中(長手)に一本塗る感じです。
詳しくは梱包の中の施工説明書を参照してください。
フローリングの連結についての注意
タタキ(少し重い木)でサネ全体を叩き、簡単にフローリング同士をくっつけてしまいます。
フローリングのサネの叩き方、伏せ方や、注意点を実際の作業で動画にまとめてみましたのでご参考までに。
叩き方の解説として、上図はわかりやすいよう、極端な例にしています。
フローリングを入れるにはまずジョイントをつけます(斜めになっているので一部だけついていればOK)。ジョイントをつけたのち、A部分だけをまず入れてしまい、そこを基準としてタタキで叩いていくと、自然にジョイントに向かって力がかかり、しっかりジョイントがくっつきます。この時、Aは絶対に離れないようにします。叩いていく道中、何度でも戻り、A地点だけはしっかりとくっつけておきます。そうするとジョイントが離れることなく、しっかりくっつきます。
実際には前列のオザネをかわす程度に置いて、ジョイントをつけ、A部分を入れ込みます。
上の例のように大きく斜めにしてしまうとジョイントに力がかかりすぎ、サネを壊してしまいます。
その他の施工上の注意点
その他の施工上についての注意点を動画でまとめています。ご参照ください
また、床の施工で丸のこを使う場合、丸のこ定規は欠かせません。事前に作っておきましょう。
参考:丸のこ定規を作ってみよう
フローリングの加工にはさしがねが必要不可欠です。どうやって使うのかを解説しました。
参照:さしがねの使い方(フローリング貼りを例にして解説)
参照:自分でダイレクトフロア(直貼りフロア)を貼ってみよう(後編)
作業台もあれば、作業が楽です。こちらも事前に作っておいていいかもしれません。
参照:お手軽!作業台(通称ペケ台)を作ってみよう
細かい作業のコツや知識のエントリーです。
参照:フローリング貼り工事の小技あれこれ