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四方をすき間なく、ジョイントもなしで面材(今回はキッチン板)を貼ってみよう

面材をすき間なく貼ってみよう!

このエントリーでは、ベニヤやボ-ドなど、板状のもの(面材といいます)を四方ともすき間なく貼るにはどうすればいいか、ということをやっていきましょう。

これができるようになれば応用も効き、DIYの仕上がりが全然変わってくるでしょう。

今回は面材の中でも、貼ればそのまま仕上がりとなるキッチン板で解説していきましょう。

すき間は許されません。

まずは、ジゴクになった空間にジョイントなしで建材をすき間なく貼り込みたい時、プロはどうしているのか、という解説から始めましょう。

ジゴクとは

簡単に言えば、すき間が許されない空間。

 

実際に貼ろうとするとどうなる

例題として、ピンク色の部分にキッチン板をすき間なく貼ることにしましょう。

両壁に挟まれ、天井はクロス、床はフロ-リングです。
(表現を簡略化していますが、天井から床の高さまでがピンク部分だとイメージしてください)

天井には廻縁(まわりぶち)がなく、床には巾木がありません。
キッチン版を施工する部分はたいていそうですよね、廻縁がなく、巾木もなしです。

つまり四辺ともにすき間は許されない状況です。

 

上と下の半分ずつ貼れば話は簡単なのですが、それではジョイント(継ぎ手)ができてしまいます。

でも、できればジョイントなしの一枚もので貼りたい!

長尺3×8(909×2424)サイズのキッチン板が売っていて、たいていの部屋高さの場合、施工技術さえあれば天井までジョイントなしで貼れるわけで、DIYであっても「サイズがあるんだから貼れる」というレベルに達していただきたい。

それではまず手順を見てみましょう。

採寸してみる

さぁ、それでは壁を採寸してみましょう。

採寸の結果、まず、壁の両端(高さ)は左が2365、右が2370でした。
極端に描くと下図のような感じですね

 

 

でもこれはリアルじゃないですよね。床が水平だとは限らないから。

実際のところは、

天井の水平が良くて、床の水平が悪いかもしれないし、

いやいや、おそらくこんな感じで台形型に上も下も悪いでしょう。

 

壁のタチもどうなっているかわからないです。おそらく少し倒れているでしょう。

つまり、四隅の角度がわからない限り、寸法を測ってみても、それは正確な採寸ではない、ということです。

 

もう一度現場を見てみましょう。

空間が閉じているので、現場にキッチン板を持って行って、「仮に合わせてみる」、ということができません。
仮にも入らないし、床も天井も両横の壁も傷めてしまうでしょう。

じゃあどうやって四方ジゴクの場所にスキマなく施工するのか。。
それではやっていきましょう。

 

プロが施工する場合

用意するもの(プロバージョン)

レ-ザ-(縦横で十字にレ-ザ-が出るやつ)、サインペン、墨つぼ、さしがね、丸ノコ、丸ノコ定規、きつつきノコ、鉋、掃除機、紙やすり

レ-ザ-は十字(タチとミズ)が出るものを使います。

さぁ、まずは現場にレ-ザ-を当ててみましょう。

この十字のレ-ザ-を元に採寸していくことになります。

このレ-ザ-機器本体が邪魔になるので、レ-ザ-の十字の端に墨をつけて、墨つぼで十字を打ってしまい、レ-ザ-をどけちゃいましょう。電池ももったいないですし。
(この墨うちはシビアに行いましょう)

これで壁に垂直と水平な線が現れました。
さっそくこの垂直と水を基準に採寸していきます。

 

採寸の結果、壁の全体的な寸法が判明しました。

いずれの寸法も十字の線(以下、この十字を基準線と記載)から寸法をひろっていることに留意してください。

やはりタチも両方共コケていたのがわかりましたし、上辺下辺ともどのくらい水平が悪いかがわかりました。

キッチン板に基準線をつける

壁にしたのと同じように、今度は先ほど判明した寸法の大きい方を元にしてキッチン板に十字の墨を打ちましょう。

作業台の上のキッチン板に、水平の線は下から122、垂直は右側から417ずつ平行に墨を打ちます
(キッチン板の直角を活かす形ですね)

 

キッチン板につけた基準線から採寸した寸法を書き出していきます。
キッチン板には保護膜があるので、サインペンの細い方で直接書き込むとわかりやすいです。

そのサインペンでつけた点と点を下図のように墨つぼで打っておくとさらにわかりやすいですね。

あとは墨に合わせ丸ノコと丸ノコ定規で加工していくだけです。

 

基準線を真ん中らへんに持ってくると墨をつけやすかったりします。

 

基準線から平行でありさえすれば、それは垂直水平なので、複雑な形の場合も基準線を増やしていけば対応が可能です。

 

横壁のタチがグニャグニャなときは上図のように、こまめに寸法を取って墨をつないでいきます。

 

実際の現場を見てみよう

それでは実際の現場の画像を見つつ、注意事項と応用を見ていきましょう。

こんな感じの、廻縁も巾木もない場所のキッチン板も、仮合わせなしで一発OKでした!
(画像の真ん中、このまま押し込むとすっぽり入る)

めんどくさいようですが、一番早く、かつ綺麗に納まる方法でしょう。

この方法では、キッチン板の十字をつける際、建材のカネのヨリズミにしているので、建材のカネ(直角)がいいのが条件になっています。
安物の建材を使うさいには、その建材がちゃんとカネが出ているのかを確認しましょう(さしがねを当ててみましょう)。

カネが悪い場合、カネを直してから施工するようにしましょう。

 

もちろん、キッチン板だけじゃなくて、ベニヤでも使える技ですね。
複雑な四方ジゴクの時はこれでいきましょう。

 

さてそれでは、DIYの場合はどうすればいいでしょう。
レーザーは高価なため持っている方は少ないと思います。

勘のいい方はもう気付いたかもしれませんが、実は少し手間をかければレーザーを使う必要はありません。
十字が直角でありさえすれば、水平でなくとも垂直でなくとも構わないからです。

どういうことか見てみましょう。

 

DIYで施工する場合

用意するもの(DIYバージョン)

サインペン、墨つぼ、さしがね、丸ノコ、丸ノコ定規、きつつきノコ、鉋、掃除機、紙やすり

まず、壁の傾きを気にせず、右側から同じ寸法をとり、墨つぼで墨を打ちましょう。

壁の傾き通り、斜めの線になりますが気にしない。

こんな感じ。

 

次は、さしがねを左右に振り、打った墨に対して直角の墨を両端に付けましょう

 

つけた墨を、墨つぼで延長し、縦の線に対して直角な横の墨を打ちます。
水平や垂直ではないけど、直角だけはきっちり出します。

これで正確な採寸ができるようになりました。
あとは前述の施工方法と同じようにやっていくだけです。
(それぞれの寸法をカバーできるように、キッチン坂の方の十字の墨を打ちます)

この施工方法で大事なのは、直角な墨を、現場と面材の両方に打ち、正確に採寸する、ということです。

 

まとめ

キッチン坂に限らず、面材をすき間なく貼りたい、という場合には直角の墨を打ち、その墨から寸法を追いかけることで限りなく良い仕事になるということです。

ジョイントなしの一枚張りは、やはり手間が余分にかかりますが、キッチン坂やシナベニヤ、プリント合板など、仕上げ材の場合は、ジョイントなしにすると仕上がりの印象が違ってきます。
この技を使ってDIY技術をレベルアップさせましょう。

シナベニヤやプリント合板の場合、墨つぼの代わりにライナーを使用しましょう。
(墨汁ではなくチョークで線を打つことができ簡単に消せます)
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