自分でダイレクトフロア(直貼りフロア)を貼ってみよう(前編)
まずは知りたい!ダイレクトフロア(直貼りフロア)ってなに?
マンションによくあるフワフワした床、と言えば、「あ~、あれか」と思い浮かぶのではないでしょうか。
そう、それがダイレクトフロアです。
柔らかいので足に優しく、吸音性に優れており、断熱性も高く、「床板の冷たさ」がありません
ダイレクトフロア詳細図
ダイレクトフロア、または直貼りフロア(以下ダイレクトフロアと表記)は上図のように、フロアの中の4つスジが少しずつズレた形をしています。
(たいていの場合どのスジも長さは900ミリです)
1つのスジの四辺にそれぞれオスのサネ(以下オザネ)とメスのサネ(以下メザネ)があり、これをずらしながら4つ合体したものが上記の一般的なダイレクトフロアです。
(オザネをオレンジ色、メザネを点線で表示しています)
ダイレクトフロアの実物
ダイレクトフロアの裏には一枚のすごく丈夫なスポンジがはりついており、このスポンジが4つのスジをくっつけている、という訳です。
このスポンジが、あの独特なフワフワした踏み心地と吸音性、断熱性の正体です。
スポンジだけで連結しているので、上の画像のように曲げる事も可能ですし、元にも戻ります。
とても丈夫なスポンジなのでこんな事くらいはへっちゃらです。
また、スポンジ自体は丈夫ですが、板からスポンジを剥がそうと思えば手で簡単に剥がせます。
これがダイレクトフロアです。
種類も色々あります。
上記のほか、メーカーによってスジごとのズレが違う場合や、スジの太さが違って合計幅が300ミリじゃない場合もあります。
もちろん色や機能も様々です。
お好みや予算に合わせて最適なものを選んでください。
(どのようなダイレクトフロアを選んでも施工方法は同じです)
色んな形があるダイレクトフロアですが、施工について共通点があります。
それは、
カットした部分が、その逆の部分に合う、という事です。
単純ですが施工上、大事な事なのでよく覚えておいてください。
ちなみに、
ダイレクトフロア2枚分で、1800×300になります。
これは、普通のフローリング1枚分とほぼ同じサイズです。
部屋の大きさを測る
ダイレクトフロアを貼るには、まずフロア材をどれだけ購入すればいいのかを判断するため、部屋の大きさをざっと測ってみましょう。
フロアはたいてい一坪分(たたみ約2畳分)をセットにして売られているので、例えば6畳の部屋だと3坪なので、3セット購入する必要があります。
(たたみは、1.82メートル×0.91メートルとして計算しています)
部屋のタテとヨコを測って面積を出し、それを3.3で割ると、部屋がおよそ何坪かがわかります。
フロアのセットをばらしてみると、900(ズレ)×300のフロアが12枚入っています(約2畳分ですね)。
この場合、ダイレクトフロアは7セットと少し必要という事になります。
ダイレクトフロアはホームセンターで買えます。
梱包には、ダイレクトフロアのほか、キワネダや、くさびが入っています。
また、選ぶダイレクトフロアによって耐久性や遮音性等が変わってきます。
マンションなど共同住宅で、パンチカーペットなどからダイレクトフロアに変える場合、それなりの遮音性能を満たすことが求められます。
道具を準備する
必要な道具
手ノコ、キツツキノコ、スケール(メジャー)、さしがね、墨つぼ、ダイレクトフロア用ボンド&ボンドバケ、カンナ、紙やすり、ノミ(必要に応じて八分ノミ、六分ノミ、三分ノミ)、カッターナイフ、コークボンド
あればいいなぁ、便利だなぁと思う道具(無くても施工可能です)
丸ノコ(電動ノコ)、丸ノコ定規、あて木、床養生(貼った床の保護)
ダイレクトフロア貼りの流れ
まず、片側をカットします。
部屋の寸法からフロア貼りのイメージをし、①の寸法を決めましょう。
⑤は①を切り落とした時の残りを使いたいが、長さが足りない場合は新しく切る。
オスを残していくので基本的に向かって右側から貼っていく。
この場合のフロア貼り方向は上図のようになる(①から順番に逆Zの形)。
上画像の状態からダイレクトフロアをはずしていきますが、順番がわからなくならないよう、貼り始めから作ってきた順番に、番号を書いていきます。
上画像のように、養生テープを貼ってから数を書きこみましょう。
最後の1枚をはめ込むと、手がかりがなくなって外せなくなります。
貼り仕舞いのフロアからはずしていき、番号の大きいものが下になるように重ねていきます。
貼ってあった場所から真下に持ってきて重ねていくイメージです。
重なったフロアの一番上は、貼り始めのフロアになるようにします。
キワネダってなんだ!?
左の板は、ダイレクトフロアに付属しているキワネダです。
丸のこ(&丸のこ定規)や、手のこぎりを使って、30mmの幅で長手に落としていきます。
なぜキワネダが必要なの?
ダイレクトフロアは裏にスポンジがついていて、踏むと柔らかく、フワフワしています。
部屋の真ん中あたりはそれでいいのですが巾木や敷居など、動かないものがそばにあったら、人がフロアを踏むたび、巾木や敷居に擦れ、音鳴りもしますし、傷んでしまいます。
そこでキワネダを入れることで、敷居や巾木を傷めずにすみ、音鳴りも防げます。
キワネダにはそういった意味があり、必ず入れましょう。
キワネダを部屋のグルリに配置し、ボンドを塗る
いったん全てのフロアを外して重ね、部屋のぐるりにキワネダを配置し、ボンドでつけます。
ダイレクトフロアもキワネダも同じボンドを使います。
ダイレクトフロアの部分は、まず最初の1~2列分だけボンドを塗ります。
2列より多く先に塗ってしまうと施工しにくくなるので、最初は1~2列分だけがいいでしょう。
ボンドを塗ったところにフロアをどんどん置いていきます。
後はそれをどんどん繰り返します。
下図は2列分貼り終わったところ。
それを最後まで元通りにできれば完成です。
ダイレクトフロア貼りのおおまかな流れとしては、ざっとこんな感じです。
動画で見てみよう。
ダイレクトフロアは主にマンションなどで使われています。
マンションのじゅうたん敷きの床からダイレクトフロアにリフォームする際の最初の作業を動画で見てみましょう(別窓で開きます)。
後編へ続く!